釣り言葉

景気がイマイチ盛り返しきれないこの世相の中でも、
客集めに知恵を絞り、あの手この手を繰り出すのが商売人の性だと思うのだが、
今宵はその真骨頂を見せつけられた。

大学の同級生だった友達が東京から出張してくるというので、
福岡在住の友達と春吉近辺で飲みになり、大阪出張の帰りに合流。
2件目の西鉄イン最上階のバーで軽く飲んだ後、
一人が飯ごう雑炊の店に行こうと言い出したので、
中洲の街中を縦断して店に向かう。

福岡・中洲は日本でも有数の歓楽街。
特に男性にとっては、札幌・ススキノと並ぶ2代性地である。
男連中で道を歩けば、キャバクラだか風俗だかまるで判別がつかないが、
とにかく客引きの嵐にさらされる。
声をかけられなかったのは、俺が坊主にスーツだった一時期だけだ。
多分、あの当時は同業者と思われてたんだろう。

そんな中洲だが、最近は活気も今一つ昔に及ばない。
当然、客引き合戦も過熱するが、当然客の反応も渋い。
我々も幾度となく声をかけられるが、軽くあしらって先を進む。
そんな中、一人の兄ちゃんがさりげなく俺に近づき一言。

「エロっしゃいませ。」

いかん。シンプルながらおもろすぎる。
思わずツボに入られてしまったが、
ここで笑うと負けを認めたことになるので、

必死に笑いをかみ殺す。
笑ってしまえば、ボッタクリとわかっていても、
店に入るのを断れない気がするのだ。

さらに足を進めると、新手の兄さんが声をかけてきた。

「モミ残しはございませんか?」




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